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あの星に届かなくても
第1章 それぞれの夜
「いいわよ。このまま、私の中で……」
「えっ」
「大丈夫だから。濃厚なの、いっーぱい出していいのよ」
「……っ」
卑猥な言葉に反応した男の顔つきが、さらに欲望に忠実な雄のそれに変わる。紗恵は骨盤底筋を意識して締め、男の分身を徹底的に攻めつづけた。
「あああっ、出る……!」
「いいわ、中に……私の中に、出して」
「う、あ、ああっ」
最後に大きく喘いだ男は、両手の自由を奪われたまま絶頂を迎えた。外見だけは好みの男が自分の支配下で果てていく扇情的な瞬間を見下ろしながら、紗恵は冷笑を浮かべた。
どくり、どくり、と体内に放出されるのは、愛を伴わない生命の源。ただ、愛があろうとなかろうと、この身体の中で生命が育つことはない。紗恵にとっては、それはさほど重要なことではない。
紗恵は男が脱力するのを見届け、その割れた腹筋を指先でするりと撫でるとそこから降りた。高揚した表情を見せた男は、拘束されている手を揺らす。
「ねえ、もう一回しよ。リエさんのことめちゃくちゃにしたい。これ外して」
「ふふ。もう少しだけ我慢してね」
艶っぽく答え、紗恵は四つん這いでベッドの端まで移動した。後ろに突き出した白桃のような尻、白濁液のしたたる柔らかな内腿には、熱い視線が注がれているに違いない。
「あっ……力が入らない」
真っ赤な嘘を言いながらベッドを降り、膣口を締めながら慎重にしゃがみ込んだ。
行為が始まる前にさりげなくベッド下に置いておいた容器の蓋を開け、蜜口にあてがう。下半身に力を入れると、フローバックとして溢れ出る精液が、どろり、と容器の中に流れていく。やはり、多い。