この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
あの星に届かなくても
第4章 過ちはまどろみの中

 帰ろう、と宗介は自分に言い聞かせた。ラグの上に落ちている服を拾い上げ、それを彼女に押しつけ、すぐにここを出よう、と。だが肝心の身体が言うことを聞かない。ソファに糊でもついているのかと思うほど、背中が貼りついて離れないのだ。

「私はこの計画を成功させるためにやるべきことをやり遂げて、もう一度あの人と暮らすの」

 いつになく重々しい口ぶりで言った女が、静かに振り返る。伏せられた目から、透明なしずくが落ちる。

「あの人と……」

 そう呟いた女は、泣いていた。唇を震わせ、大粒の涙をこぼしながら、後ろ手でブラジャーのホックを外す。ぶるりと揺れる、美しい豊かなふくらみ。
 戸惑う暇もなく与えられるその光景に、宗介は脳内に充満する淫猥な思考と必死に闘った。たかが女の裸体が、こうも冷静さを失わせるのか。だが下半身はとっくに、いつもより獰猛な反応を示している。
 その腕から肩紐がするりと抜かれ、ブラジャーが落とされる。女は大きな双丘を揺らして一歩近づくと、宗介のひざの上に跨った。異常なまでの肌の白さにふさわしい、薄桃色の輪の中心がいやらしく蕾を膨らませている。宗介は生唾を飲み込んだ。しかし、本能的な身体の反応を理性が押し込めようとする。

「……やめろ」
「やめてほしいなら、どうして逃げないのよ」

 笑うわけでも、怒るわけでもなく、女は言った。その瞳には憂いの色が差し、翳(かげ)りをみせる。すでにその頬は乾いていたが、涙の通った跡がくっきりと残っている。

/90ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ