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甘党な愛
第10章 十

* * *

 そのまま八雲の車に乗せて貰い、山から降りて郵便局で後嶋の封筒をポストに出せたのだが。……何故こんなことになっているんだろうか……。

「俺はデラックスウルトラベリーベリースイートプチパンケーキだ」

 都内某所の有名パンケーキ店。そこのテーブル席に向かい合って座り、いかつくサングラスを掛けた八雲が店員に注文すると、私も続けて注文する。

「じゃあ、私は……スイートスイート滅茶苦茶スイートチョコパンケーキで」

「かしかまりました。少々お待ち下さ~い」

 すると可愛らしい女店員はメニューを持ってキッチンへと歩いて行った。……有名店もあって、20分待って漸く入店することが出来、店内は賑わっていて満席。その殆どの客が女子という女子率99%の中に、1%だけ男の八雲がいると……浮く。強面顔な男が、真剣にベリーベリースイートなパンケーキを頼んでるとか、笑いに耐えれる自信がない。

「あの……何でここへ……?」

 笑いに耐えながら尋ねてみた。……まさか私に食べさせてあげようと思って……?

「一回来てみたかったから」

「……」

 一瞬ドキドキしていたが、八雲の即答した言葉を聞くと無表情になる。

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