この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘党な愛
第11章 十一
しかも、これは盗撮では?
「キスなどしてません。八雲の唇を近くで見ていただけです」
「嘘ついてもダメだよ。ちゃんとこのビデオカメラでキスするところ写したから。これは家に帰って恵の父親に見せるからね」
「……じゃあ恵は……」
「結婚して貰うことになるね。勿論、椿君とは違う相手と……」
ニコニコと微笑みながら話す鬼沢さんと会話していたが、私は唐突にビデオカメラへ手を伸ばした。……早く消させないと。何としてでも。
「っ……くっ……貸してください」
「ダメだよ……椿君……八雲とキスしといて、まだ恵と結婚したいのかな?」
ビデオカメラを両手で掴み、お互い引っ張り合う。男だから鬼沢さんの力は私よりも断然強い。……しかし、負けられない戦いがここにある。