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甘党な愛
第11章 十一
からかっているだけだ。八雲は私を女として見ていない。分かっているが……。悲しい。何故だ。何で急にこんな気持ちになる?
「八雲……」
ぼーっとしながら呟く。そんな私へ普段の様に八雲は冷たく話し、
「バカか、お前。冗談に決まってんだろーが。罠に引っ掛かってキスとかしてんじゃねーよ」
「……ごめん」
「鬼沢は何でもする奴なんだよ。恵を結婚させる為に、お前と俺をキスさせようとしたんだろ」
そのまま私へ背を向けると、また階段の方へ歩き出した。もうパンケーキ店での面影は全くない。いつもの怖い八雲だ。