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甘党な愛
第11章 十一

「……」

 私はそんな八雲の背中を見ながら、無言で立ち尽くしていた。……こっち振り向かないだろうか。というか、振り向け!向け!向け!こっち戻ってこい!戻ってきて、また優しい八雲に戻れ……!

「向けっ……」

 低い声を出しながら、八雲へ念力を送る。しかし――八雲がそのまま此方を振り向くことはなかった。階段から降りていく八雲の光景に、私ははあっとため息を吐いた。
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