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甘党な愛
第13章 十三

 ――翌日、キッチンで朝食の準備をしている最中、後ろから葎に謝られると、私は葎の方を振り向いた。

「……昨日は本当にごめんなさい。俺、どうかしてた……」

「大丈夫だ!気にすんな!」

「……」

 葎が落ち込まないように明るく言うと、ニコッと微笑む。そんな私を申し訳なさそうに見つめると、

「恵さんにも八雲君にも取られたくなかったんだ……ごめん」

 葎は小さく呟いた。

「良いから、良いから!それより今日は葎の好きなベーグルサンドにしたから!」

「ありがとう……」


 そのまま私の言葉を聴くと、安心したようにほっと息を吐く。……正直言えば、葎のことより八雲のことが気になって仕方なかった。

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