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甘党な愛
第13章 十三
* * *
「八雲、話がある!」
八雲の部屋の前に着くと、私はドアをノックしながら呼び掛けた。するとすぐにドアが開いて、不機嫌顔の八雲が出てくる。
「……何だ?朝っぱらから」
「私、八雲に屋敷から出ていって欲しくない!」
「は……?何言ってんだ?」
「だって……」
八雲はスイーツ仲間だから――……そう私が続けると、八雲は何か汚い物でも見るような目で、冷たく私を見ていた。
「……は?スイーツ仲間って、何勝手に仲間にしてんだ。まさか話ってそれだけか、てめぇ……」
怒っている。確実怒っている。でも分かるんだ。私も甘い物を食べて豹変する人間だから。恥ずかしくて、その事を人に知られたくないんだ。
「分かってる。八雲が超甘いもの好きってことは。私も一緒だから。……この間だって一人で食べに行くのが恥ずかしいから、私を連れて行ったんだろ?」
「……まあな。でも、それだけじゃねぇ」
質問した私へ答えると、八雲は真剣にじっと私を見る。そして、
「お前が疲れてそうだったから」
そう言うとバタンとドアを閉めた。
「……」
ちょっ……
「勝手に閉めるな!まだ話は終わってない!」