この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘党な愛
第13章 十三
疲れてそうだったからって……確かにあの時は凄い疲れてたけど。
「……ヤバい。何だこの感覚。胸が……」
ドアを叩いていたが急に胸へ違和感を感じて、そのまま膝から崩れ落ちる。そして廊下で四つん這いになり、
「好きだ……」
自然と呟いていた――……
「うう……」
やっぱり優しい。八雲は。惚れるぐらい。良い男だ。何で婚約者がいるんだ。何で結婚しちゃうんだ。そんなの嫌だ……。
「……何呻いてんだ?きめぇから早く消えろ」
私の呻き声に気付いて八雲がドアを開ける。すると、私は床に膝ま付いたまま八雲の履いているジーンズを両手で掴み、必死に頼み込む。
「八雲!私、好きだ!八雲が!結婚しないでくれ!屋敷にずっといてくれ!」
「は?断る」
しかし真面目に断られると、無表情で黙り混むしかなかった。
「……」
即答か――……