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甘党な愛
第13章 十三

 好きって気付いて一分でフラレるとか、カップラーメンにお湯注いで待つ時間より早いわ。

「八雲!それでも、好きなんだ!気づいたんだ!」

「……」

 八雲の足にすがり付いたまま、真剣に話していた。すると、無表情のまま八雲が聞いてきて、

「……で?」

 その冷たい瞳と声が、私の目を覚まさせる。

「……」

 本当に、婚約者がいる八雲にこんなことを伝えて、私は何がしたいんだろう。もう八雲は屋敷を出ていく。それは私が何をしたって変わらない。分かっているけど……でも、どうしようもなく……。

「ごめん、忘れてくれ。私も残り一ヵ月、今まで通り過ごすから……」

「そうしろ」

「っ……でも……」

 やっぱり……。

「好きだ!」

「無理」

「だよな……」

 でも……。

「好き!」

「帰れ」

「うう……」

 八雲と何度か押し問答を繰り返すと、また床で四つん這いになる。やっぱり諦められない。八雲を諦めるなんて地球が引っくり返っても無理だ!


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