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甘党な愛
第13章 十三

「八雲……」

「じゃあな」

 四つん這いのまま顔を上げて頼み込む様に必死な目で見つめたが、また無情にバタンとドアを閉められ、私は呆然とした。

「……」

 無念……。もっと早く気付けば、状況は変わっていただろうか。……いや、絶対に変わっていないか。初めから八雲には婚約者がいたんだから。それに私なんかが好かれるわけもない。

「……」

 そのまま項垂れさせる顔。この後八雲がドアを開けることもなかった。

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