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甘党な愛
第13章 十三
――庭に出ると、恵が桜の木の前で立ち止まり、私に向かって微笑んだ。
「綺麗だよね?」
「うん……綺麗。山は遅咲きかと思ったけど、早いんだな……」
「ここ日当たり良いからね!太陽いっぱい浴びて暖かくなったから咲いたんだよ!」
「暖かくなったから……」
そういえば恵の笑顔を見ると、いつも安心する。暖かい気持ちになる。恵も太陽をいっぱい浴びてるのか……?
「……」
一つだけ咲いたピンク色の花を見ながら、私は恵の笑顔を思い浮かべほっと息を吐く。すると……
「椿ちゃん、俺ね、今度結婚するかも……」
「結婚……?」
隣で話した恵の言葉を聞いて、思考が停止した。