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甘党な愛
第14章 十四

「普通、男が女を抱き締めるんじゃないのか……?」

「このご時世、そんな決まりはないよ!男が甘えて何が悪いの?」

「確かに……」

 恵の真剣な言葉に、首を縦に振ってしまう。流石、恵。何だか説得力がある。

「じゃあ、少しだけ……」

 私は恵の体に両手を伸ばすと、恵の体を抱き締めた。……暖かい。人の体温って、こんなに熱いのか。初めて異性をこうして抱き締めたから……異常に緊張する。私の体まで熱くなってきた。

「恵、もう良い……?」

「ダメ」

 質問すると、即答される。

「体が、熱いんだけど……」

 緊張で溶けそう。恵は、余裕そうだけど。

「椿ちゃん、人ってね、触れた人を意識するんだよ。緊張してるってことは、椿ちゃんが少しでも俺のこと意識してるってことだよね?」

 緊張してることバレていた……!余計恥ずかしい!




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