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甘党な愛
第15章 十五

 恵から振り回されている。ここのところ、前より酷くなっている気がする。……何でだ?

「いい加減にしろ!自由に女と会って良いから!私に構うな!」

「それが嫌って言ってるじゃん」

「だから何で……!」

 当たり前のように抱き付いてくる恵の体を振り払おうとするも、恵は私から離れず。

「椿ちゃんのお肌綺麗」

 ちゅっちゅっと頬へ何度もキスしてくる。まるで私を犬や人形だと思っているように。

「本当に良い加減にしろ!私だって女だ!自分のことを何とも思ってない人からこんなことされたら傷つくんだ!」

「何とも思ってない……?俺が?椿ちゃんのことを?」

 再び私が怒ると、恵は不思議そうにキスするのを止めた。そして――

「そんなわけないだろ!好きって言ってるだろ!」

 当然のように叫ぶ。その言葉を聞いて、私は無表情になった。

「……」

 いや、言ってねぇし――……
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