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甘党な愛
第16章 十六

 そのままベッドへ押し倒され唇を塞がれると、貪る様な口付けを半ば強引にされた。

「んっ……っ……」

 ヤバい。もうくらくらしてきた。仕事中なのに。

「っ……ん……」

 唾液でぬるついた八雲の唇が、執拗に私の唇を吸い上げる。……食事を堪能している。そう言った方が正しい。私は八雲の餌だ。抵抗することを知らない。それを多分、八雲も知っていてこんなことを……。

「んんっ……ん……」

 互いの熱い唇。それが触れ合う行為は、確実に八雲のペースで進んでいる。

「んむっ……」

 唇を深く塞がれたまま口内へ舌を差し込まれると、苦しくなり眉根を寄せ。そのままいやらしく唾液の音が響き、八雲が目を細めると、私は八雲の言いなりになる。

「椿、恵と葎には言うなよ?」

「は、はい……」

「後、これからこんなことが起こっても、屋敷から出ていくな」

「分かった……」

「俺達だけの秘密だからな」

「秘密……」

 八雲と私の秘密。それって……もっと今からこういうことをするってことだよな?八雲とキスを……。

「八雲は、酔うとキス魔になるってわけじゃないのか?」

「……想像に任せる」

 不思議そうに私が聞くと、八雲は真剣に答え。再び私の唇を深く塞いだ――……
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