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甘党な愛
第16章 十六
まずい。バレた。バレよった……!
「それは……!」
「恵達には内緒にします。だから一つ、貴方にお願いがあるんです」
「お願い……?」
「恵と籍を抜いてくれませんか?」
慌てる私へ鬼沢さんは無表情で話すと、私へもう一枚紙を渡す。
「離婚届です。恵に書かせてください」
「それは……」
難しいんじゃないだろうか……。こないだ離婚は絶対しないとか言っていたし。簡単に書くとは思えない。
「良いんですか?秘密を恵達に知られても……貴方は本当は……」
「わ、分かりました!どうにかします!だから、私が藤咲家の人間ということは黙っていてください!お願いします!」
離婚届を受け取ると、私は鬼沢さんへ必死に頼み込む。絶対に知られたくない。恵達には。私の黒歴史を……。