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甘党な愛
第17章 十七
* * *
「話って何?告白とかなら、間に合ってるんだけどぉ~」
私の部屋に入るなり、ドアに片手をついてポーズを決め、キザに格好つける恵。その姿を見ながら、私は傷付けないように話そうと遠慮がちに話す。
「恵、私と離婚してくれ!」
「直球かよ!」
「恵と離婚したいんだ!」
「もう少しオブラートに包んで話せねーのかよ!」
恵を傷付けたくなかった。でも、鬼沢さんとの約束だ。それに、いずれはこうなることだった。私の話を聞いて叫ぶ恵へ、私はポケットに入れていた離婚届を差し出す。
「離婚届、書いて!」
「だからさ……」
そのままはあっとため息を吐くと、恵はキッパリと言った。
「嫌だ。離婚届は書かない」
「何で……」
「だから椿ちゃんのこと好きって言ってるじゃん。離婚はしたくないの!……もうそういう話なら行くから」
「待って!」
ドアノブを恵が掴むと、私は恵へ壁ドンする。そして……
「……籍を抜いてくれるなら、何でもするから。頼む……」
真剣に頼むと、また離婚届を差し出す。