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甘党な愛
第17章 十七
「……何で急に?もしかして好きな男出来た?」
「そういうことじゃない。やっぱりおかしいだろ。恋人でもないのに籍を入れて……」
「今更なんだよ!俺は、絶対嫌だからね!」
恵から真剣に言い返されて、流石に黙り混む。
「……」
どうしよう。鬼沢さんと約束したのに。恵と籍を抜かないと、私の正体がバレてしまうのに。それだけは嫌だ。私が愛人の子供だと言ったら、皆私から離れていく。恵も葎も八雲も、今は優しいけど……。
「……何か怪しんだよね。その封筒……ねえ!見せて!」
「あっ……!返せ!」
ぼーっとした隙に封筒を取られ、顔を青ざめる。ヤバい!中を見られたら!
「Amaz○nで頼んだ奴って言ってるだろ!」
「それにしては薄っぺらいじゃん」
「本だ!本!スイーツの……!」
取り返そうと両手を伸ばすが、それより先に恵が封筒を開け、中から書類を取り出す。
「何これ?椿ちゃんの写真が……」
「だ、だめ!」
書類を掴んで引っ張るも、恵から取り返せず。
「興信所……?報告書……?」
「ダメ……!」
かくなる上は!……そのまま私は恵の体を抱き締めた。