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甘党な愛
第17章 十七
「えっ?何?椿ちゃん?」
一瞬恵が隙を見せた隙に、書類を奪おうと閃いた。しかし――
「……椿ちゃん」
「……!」
「あったかい……」
ぎゅうっときつく抱き締め返された途端、身動き取れなくなる。
「ちょ、ちょっと……!」
「抱き付いてくるとか、俺のこと好きになったってこと?」
「違うわ!今離婚届書いてって頼んだのに!」
「じゃあ何?欲求不満?」
慌てながら力ずくで恵の体を離そうとするも、抱き締められたまま急に両足が浮いたかと思うと。スススス……と恵がベッドの方へ移動していく。
「……俺は良いよ。このまま、しても」
同時に耳元で、恵の真剣な声がした。