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甘党な愛
第17章 十七
のぉぉぉぉぉ……!私は良くない!
「何処行くんだ!降ろせ!」
「じゃあ書類見せて。これって誰かが椿ちゃんのこと、興信所使って調べた報告書だよね?調べたのは、一君?」
「……!」
当たりすぎてて怖い。占い師か。予言者か。
「一君から籍を抜いてって頼まれたの?それで、何か脅されるようなことされた?一君に弱味握られてるの?」
恵が私を持ち上げたまま質問してくると、私は戸惑うも。
「違っ……」
「弱味握られてるんだったら、俺力になるよ?何があっても椿ちゃんの味方だから」
その言葉に、ポツリと呟いた。
「嘘だ……」
そんなの。私が愛人の子供だって知ったら、軽蔑するに決まってる。私を汚いものでも見るような目で見るに決まっている。
「俺、好きだよ、椿ちゃんが。だから、椿ちゃんを知りたい」
そのままベッドへ寝かされると、恵が覆い被さってくる。穏やかに微笑み、優しく私の頭を撫でる。
「恵……」
暖かい。こんなに恵は優しいのに私は……。
「離婚届、書いてくれないなら屋敷を出ていく。今日中に書いて」
冷たく話すと、静かに目を閉じた。