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甘党な愛
第18章 十八

「……誰が、忘れる為にキスするかよ……」

「……」

 そんな私を不機嫌そうに見ながら八雲が言うと、私はぼーっとしながら黙り混む。すると……

「椿……今度また、甘いものでも食べに行くか?」

「えっ!行く行く!」

 唐突に誘われて、頬が緩んだ。そのまま気恥ずかしそうに話す八雲は、どう見ても可愛く。

「……最近オープンした和菓子の有名店がある。黒蜜きな粉パフェとか最中抹茶パフェとか、すげぇ上手いってよ」

「和菓子!?パフェ!?絶対行く!」

 私の返事を聞いてほっとするところも、頬を赤くするところも、悶えるぐらい可愛い。

「……お前としか、こんなところ行けねーし」

「だよな!恥ずかしいよな!アウトレイジだから!」

「お前としか、行きたくねーし……」

「スイーツ仲間だからな!」

「だから……スイーツ仲間じゃねーって。俺は、お前が……」

 続けて何か言おうとする八雲。しかし途中唾を飲み込むと、急にソファから立ち上がる。

「……」

そして何か考え込むとまた座り、黙ったまま。また暫くすると、立ち上がる。それを三度繰り返すと、

「メイド、やっぱりお前は俺から悪さされてる方がお前らしいよな?」

 急に悪魔の様な瞳で微笑むと、私の頭をがしっと右手で鷲塚んだ。
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