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甘党な愛
第18章 十八
「えっ?何?何なんだ?」
「良いか?俺が極度の甘党ってこと、恵達に絶対言うなよ?」
急に豹変してしまった……。何故だ。さっきまで可愛かったのに!
「はい……」
「アイツら、俺がわざわざスイーツ食べに行ってるとか知ったら、死ぬまでバカにしてくるに決まってるからな」
怯えながら返事をすると、漸く頭から手を離して貰える。すると私は、不思議になりながら質問した。
「そういえば八雲達ってどうやって友達になったんだ?パット見、仲良くならなそうなのに……」
「親同士が仲良いからな。パーティーでしょっちゅう合ってたから自然と仲良くなってた」
「……ということは、葎も金持ちの息子?」
「ああ」
八雲の話を聞いて、一瞬驚く。
「じゃあ何で書店のアルバイトなんか……?」
「さあ?葎は自分のことあんま話さねーからな」
続けられた言葉に、静かに頷いた。
「……」
確かに。葎は自分のことを話さない。私が書店で働いていた時も、聞いても自分の家のことや過去を話さなかった。
「葎が気になるか?」
「そういうわけじゃ……」
冷たい瞳で急に八雲が睨んでくる。……と、後頭部へ右手を回され、八雲の方へ引き寄せられ、再び口付けられる。
「……」
言動とは反対な優しい口付けに、気絶しそうだった……。八雲は、私が藤咲和巳の次女だと知っても軽蔑しないだろうか。愛人の子供だと知っても、変わりなく接してくれる?……八雲にだけは嫌われたくない。
「好き!八雲!」
唇が離れた途端に八雲の体へぎゅっと抱きつく。反応がなくても、私が気持ちを伝えられれば良い。好きだから!……だから、八雲が顔を真っ赤にしていることにも気付いていなかった――……