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甘党な愛
第18章 十八

 ――そのまま私もカフェを出て、原チャリを停めているパーキングまで歩道を歩き始めた。パーキングまでは5分も掛からない。だが……

『プルルルルル……!プルルルルル!』

 ジーンズの後ろポケットに入れている携帯が着信音を鳴らすと、立ち止まる。そして、

「……」

 すぐに携帯を取り着信者を確認すると、顔を青ざめた。着信者は、『鬼武者』――……

「もしもし……?」

 私は恐る恐る電話に出て、ごくっと唾を飲む。

『てめぇ!やっと出たな!毎日掛けてやってんのに、何で出ねーんだよ!』

 一年振り聞く声に、懐かしさより恐怖を感じた。

「明香姉さん、何か用か……?」

『椿、今何処で何してんだよ!』

「……メイドのバイトしてる」

『メイド!?お前、私が心配してやってる時にいらっしゃいませ、ご主人様~ってぶりっ子してたって言うのか!』

「それはメイドカフェだろ。私が働いてるのは、本当のメイド」

『……ワケわからん。ちょ、一回切って頭の中整理するわ』

 会話の最中、唐突にぷつっと電話を切られると、ツーツーツー……と無機質な音が響いた。

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