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甘党な愛
第19章 十九
「俺の親には、相手と気が合いそうになかったと言っておくから」
「……本当にありがとう」
「椿さんの方は大丈夫?藤咲社長は、俺達を結婚させるつもりだったみたいだけど。跡継ぎの為に娘婿を欲しがってるんでしょ?」
葎から質問されても、あやふやにしか答えられない。
「多分……姉さんが何とかしてくれると思う。姉さんも彼氏とラブラブだから、今の彼氏以外とは結婚するつもりがないみたいなんだ」
「俺は……相手が椿さんなら結婚しても良いよ」
急に葎が真剣に話すと、戸惑う。
「えっ……いや、でも……」
「気が変わったら言ってね。今は八雲君に恋してるみたいだけど、最後はどうなるかなんて分からないよ」
「……」
何と返事を返せば良いんだろう。葎がまだ私を好いていてくれていたとは驚きだった。そのままぼーっとしながら、無言でいる私。葎が微笑みながら、
「弱味も握れたことだしね」
呟いたことにも気付いていなかった――……