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甘党な愛
第20章 二十

 ウェディングドレス?!私が?!似合うわけねーだろ!……というか、結婚なんて嫌だ!

「離せ……!誰が、行くかぁ……!」

「椿……力が、強く、なったなぁ……!」

 お互い一歩も譲らず、ドア前で手を引っ張り合う。

「家を出てから、甘いものを食べられるように、なって、太ったからな……って!誰がジャイアンだ!」

 私が叫びながら星窪の頭へ回し蹴りすると、

「……!」

 星窪は舞い散る桜のように、床へ倒れていった。……気絶している。やり過ぎた。でも今がチャンスだ。今のうちに逃げようとするも、

『ピコン』

 メイド服のスカートのポケットに入れていた携帯が鳴ると、携帯を取り出して確認する。

「……」

『椿ちゃん、今何処にいるの?』

 恵からのLINEだ。私はすぐに返事を返す。

『実家』

 すると……

『何で!?』

 すぐにまたLINEが送られてきて、返事を返した。

『拐われた』

『誰から!?』

『家の使用人』

『使用人……?』

 あ、ヤバい……。恵は私が藤咲家の人間だということを知らないんだった。



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