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甘党な愛
第21章 二十一
どうしよう。何と言えば……。
『おはよう、昨日は急にいなくなってごめん……』
『実家にいるんだろ?今日も泊まるのか?』
恵に聞いたんだろう。八雲、ただの外泊だと思っている。もう帰るつもりはないのに……。
『……八雲、実は私……メイドを、辞めようと思ってる』
『急にどうした?』
深く息を吐いて告げると、不思議そうに尋ねられる。
『私は……義理の母親から愛されていないと思って、家出していたんだ。でも昨日、それが自分の勘違いだったと分かった。だから……今まで心配かけた分、実家にいようと思う』
『……そうか』
『メイドを辞めると言っても!八雲とはいつでも会える!原チャリも……』
あ、原チャリ忘れてた……。一度取りに行かないと!
『椿』
『何だ?』
ベッドに座り携帯を耳に当てたまま、原チャリの心配をしていた。そんな私へ八雲が突然質問してくると、
『俺達、会えなくなるわけじゃないんだろ?』
『勿論!何で急にそんなことを……』
不思議に思ったが、続けられた言葉を聞いて携帯を落としそうになった。
『昨日葎が、変なこと言ってたから』
『変なこと?』
『椿と結婚するとか』
『……それは!』
何で葎、そんなことを!結婚は親同士が決めたことだろ!お見合いの時にだって、断っておくと言ってたのに!