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甘党な愛
第3章 三
断固として、反対する!
「恵!ちょっと来て!」
「何?椿ちゃん」
後ろに立っている恵の背中を押して広間へ連れていくと、私は恵と向かい合って立ったまま真剣に直談判した。
「人が増えるなんて聞いてない!私は反対する!」
「……でも八雲の親と俺の親が知り合いで、八雲の親からの頼みだからな~」
「それでも絶対に嫌だ!なんならやっぱり私がメイドを辞めても……!」
そこまで言い掛けると、今まで微笑んでいた恵の目付きが突然冷たく変わる。
「椿ちゃんが辞めるのはダメだからね」
「何でそこまで……メイドなんて誰だって良いだろ!」
こんな恵の姿、初めて見るから少し焦る。怖いし、まるで狂気的な殺人鬼……。
「椿ちゃんじゃなきゃダメなんだ」
「だからその理由は……」
淡々と話す恵へ質問すると同時、後ろから声がして私はビクッと体を震わせた。