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甘党な愛
第3章 三
* * *
「どうぞ、静岡県産高級緑茶でございます。八雲様」
「おう、ご苦労」
緑茶を二人分淹れ、お盆で広間へ運ぶと、私はソファに座っている八雲の前で膝ま付き、緑茶を淹れた湯飲み茶碗を渡した。それを八雲は満足そうに受け取ると、偉そうにずずっと音を立て飲み始める。……こいつは初老か。ふてぶてしい。
「おいメイド」
「……は、はい!何でしょう!」
「恵に聞いたら、お前夜は自分のアパートに帰ってるんだって?」
湯飲み茶碗から口を離し偉そうに私を呼ぶと、八雲はビクッとする私へ尋ねる。そして、
「そうですが……」
「メイド、お前今日からここに住め」
私の返事を聞くと、意味不明な言葉を言い始めた。