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甘党な愛
第3章 三

「は……?ここに住めって……何故ですか?」

 夕飯を作ったら、メイドの仕事は終わりだ。他にすることはない。それなのに、何を言ってるんだ?こいつ。

「うちの実家はメイドが住み込みで働いてんだよ。だから、お前も同じようにしろ」

 不思議がる私へ偉そうに言い放ち、八雲は残りの緑茶を一気に飲み干して、湯飲み茶碗を私へ渡した。

「ちょうど俺が住む部屋の隣が開いてる。お前はそこで寝泊まりしろ」

「っ……は……」

 はあぁぁぁぁぁ!?何言ってんの、こいつ!バカじゃないのか!?今この屋敷の開いてる部屋と言えば、二階にある。両端にある恵の部屋と後嶋の部屋に挟まれた二部屋だ。こいつはその二部屋のどちらかのことを言ってるんだ。

「絶対ごめんだ!男と一緒に暮らすなんて!死んでも無理だっ!」

 思わずその場に立ち上がり、真剣に告げた。しかし――

「メイド。てめぇを雇ってるのは誰だ?これからは俺もお前の給料を支払う。主人は、俺だろ?」

「っ……」

 またドスのきいた声で言われると、黙り混んでしまう。


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