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甘党な愛
第7章 七
いつも無表情で何考えてるのか分からんし、無愛想だし、無礼だし。……でもここまで嫌な奴だと思わなかった。
「出ていく!もうメイドなんかするか!後嶋とも金輪際会わないし話さないからな!」
ただの駄々っ子にしか思われていないだろう。どうせ私は幼稚だ。女らしくもなく、男にだって間違われる。そんなこと、私が一番知っていたのに。
「さよならだな、後嶋」
冷たく後嶋を睨み付けて、吐き捨てるように告げた。
「藤咲さん……」
それでも無表情で、謝りもせずに名前を呼ぶだけ。私はそんな後嶋に呆れながら、後嶋の横を通り過ぎ……ようとしたが、突然、
「廊下でごちゃごちゃうるせーな……」
背後からいかつい声が聞こえると、反射的にびくっとし立ち止まった。