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甘党な愛
第7章 七
* * *
何故こんなことに……。
「っ……!?」
八雲の部屋へ連れ込まれるとすぐにぽいっと床へ投げ捨てられ、私は絶句しながら床へ倒れ込んだまま、目の前に立つ八雲を見上げた。
「八雲……?」
「お前、何いっちょ前に怒ってんだ?お前は何処をどう見ても……」
――男だろうが!……そう真剣な顔ではっきりと叫び、八雲は私の頭を右手でガシッと掴む。
「ひぃぃぃぃ!」
助けて!殺される!私は悲鳴を上げ、必死にその手を離す為、両手で八雲の力強い腕を引っ張った。
「やめろ!離せ……!」
「メイド辞めねーか?」
「辞めましぇん!」
「絶対にだな?」
「絶対に辞めましぇん!」
「よし……」
抵抗も虚しく頭を掴んだ手に力を込められ痛みと恐怖に負けた私は、涙目で八雲の脅しに屈服してしまう。すると八雲は満足げに、手を離した。
「もう二度とメイドを辞めるなんてこと言うなよ?」
「はい……」
何故ここまでメイドを辞めさせて貰えないんだろう。メイドになったのが運のつき。……涙目のまま、床に崩れ伏す。