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キミを愛シテ溺れてる
第4章 *キミを愛シテ溺れてる 2
「あちっ!あちっ!……うわあああ!風子ちゃん、そこどいてー!」
沈黙ができてすぐだった。
何枚か重なっているホットケーキの皿を危なっかしく持った大地が早足でこちらに向かってくる。
「大地くん!?ちょっと、こっちに来ないでよ!」
「どわぁあああ!」
怯えた風子の元に辿り着く前に何もないところで大地が滑って転び、数枚のホットケーキが宙に舞う。
その一枚が偶然にも風子の頭の上にのった。
しかも、クレープの生地のように平たく焼かれているせいで落ちてこない。あまりにも非現実的な光景だった。
「また大地はやらかして。ぶちまけたヤツはちゃんと片付けろよー」
「だって、お皿がフライパンの熱で熱くなっていたんだもん……。僕の力作が台無しだよ……」
「乙羽さん、大丈夫?火傷してない……?」