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キミを愛シテ溺れてる
第4章 *キミを愛シテ溺れてる 2
心配して風子に駆け寄ると唖然としたまま動かずに固まっていた。表情からも無事なのか読み取れない。
「乙羽さん……?」
肩にトントンっと触れて安否を問うと小さく震えていた。
「…ははっ、……あははっ!こんなの有り得ないですよね。あははっ」
そしてホットケーキを頭にのせたまま、いきなり楽しそうに笑いだす。
熱いとも言わないから、無事だったようで安心する。
大地の失敗を責めることなく、風子はしばらく腹を抱えて笑っていた。
無邪気に笑う姿は幸せそうで、颯太と別れて他の男と遊んでいた時の風子とは大違いだった。
満たされない顔をしていた時よりもずっといい顔をしている。
本来の彼女の笑顔を見て、俺も幸せな気分になった。