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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
浮気をしたくせに悪気がない態度が頭に来て、俺は颯太の襟元を掴んだ。
あんなに悩んで、傷付いて、たくさん泣いたのに、まだ傷つけようとする。
痛みさえ分かろうとしないなんて……。
「ふざけるな!!乙羽さんを何度傷つけたら分かるんだよ!」
「ソラ先輩……!」
風子に呼ばれてハッとする。
冷静にならないとダメだと思い、颯太から手を離した。
「お前こそいつまで“あの過去”を引きずってんだよ。……いつまでも悲しい過去を引きずられた方が迷惑だろ。そんなのも分かんねえのか」
風子にとっての悲しい過去。
でも悲しいだけではないはずだから、俺だって忘れられずにいる。