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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
念のため聞き出してみたら、風子はその問いに答えずに涙を流し始めた。
「それくらいで泣くなよ。俺が泣かせたみたいだろ」
泣かせてしまった罪悪感と、何と言えば泣き止むのか分からなくて責めるようなことしか言えなかった。
「前はあんなに優しかったのに、優しくない大空先輩なんて大っ嫌い!」
“大っ嫌い”だなんて初めて言われたことでズキっと心と打撃を受けた。
思い当たるところがあるからそう感じたんだと思う。
もっと優しくなって親身に話を聞いていれば、追い込まれていた親友を救えていたのかもしれないと……。
「じゃあ、優しくするから。これから優しくなれるように努力する。……俺が風子の居場所になるからそれ以上泣くなよ」
すると、こくんと頷いてやっと泣き止んでくれた。
安心したと同時に、優しくするにはどうすればいいんだと不安もあった。