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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
いじめられていて苦しそうだから少しは考えていると思いきや、予想外の反応だった。
「えっ……、どうしてって……。苦しくなると逃げたくなるだろ」
そう言ってみると、風子はどこか遠くを見て少し黙ってから答える。
「確かにここにいたくないって思うけど、つらい日が毎日続くわけじゃないから。
今日、泣いても明日は笑えるくらいいいことがあるかもしれない。ソラが私の居場所になってくれた特別な日があったように。……だから私は諦めたくない」
最悪なことを想定する心配が必要ないくらい、苦しい中でも前を向く強さを持っていた。
それは苦しくて逃げてきた俺にないものだった。