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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
「もし、死にたいなんて思っていたら、思わないで欲しいな。私はソラがいなくなるとひとりぼっちだから。……いなくなったりしないでね」
一緒に住んでいた祖母が入院していて今は家に誰もいない。
だから両親のいる遠い所へ帰ろうと考えていたけど、風子がいるからここにいたいと思えた。
好きだと気づいたのは高校一年の時。
「どこの高校を受験するか決めた?」
「まだはっきりとは……。ソラの行ってる高校は私の学力で入れなさそうだし……」
「へえ、一応考えてはいるんだ」
「らっ、来年から女子も募集するって書いてあったから頭に残っていただけだもん」
高校生と中学生になっても学校帰りに待ち合わせをして会っていた。
頻繁に会っているから友達よりは近い距離。
告白はしてないから恋人ではない。
居場所になると言って傍にいても、この関係は何と言い表せばいいのか分からなかった。
楽しく話しながら風子と歩いていると、別の高校の制服を着た男がこちらへやって来た。