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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
「……ごめん」
本当は「俺も好き」と言いたかった。
でも颯太のことを応援すると承諾してしまった以上、こう言うしかなかった。
「そうだよね……。答えてくれてありがとう。……私じゃソラに釣り合わないよね」
違うと首を横に振っても風子は泣いていて見ていないようだった。
そして、これ以上何も話すことなく俺の前から走り去って行く。
立ち尽くしたままでいると雨が本降りになってきた。
風子と会う前は天気が持ちそうだと思っていたのに。
また大きな後悔をしてしまった……。
自分の気持ちに素直になって颯太のことを裏切ればよかった。
好きだと言ってくれた瞬間にもう一度戻して欲しいと何度も思ったけどもう遅い。
雨なのか涙なのか分からない雫が頬を伝った。