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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
俺はずるい奴だと思う。裏切ってしまった罪悪感を微塵にしか感じないほど、幸福感の方で心が満たされているから……。
「私たち、両思いだったってことでいいんだよね」
「うん。でも俺、一時期嫌われてなかった?」
会ってもらえなかった疑問をぶつけると風子は俺の濡れたシャツをキュッと軽く握った。
「卒業式以降に会わなかったのはね、ソラと結ばれますようにって願掛けをしてたからなんだよ。
恋愛成就で有名な幸路神社で参拝してから二ヶ月間、好きな相手に会わないでいて告白すると恋が叶うんだって。……それが本当に叶って驚いてる」
絵馬を書きに行ったあの神社が恋愛成就に御利益があるとは知らなかった。
「それじゃあ、風子が絵馬に書いた願いも叶えよう」