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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
「分かった。こう言うのは急ぐことないと思うし、待ってるよ」
「ありがとう。……それまで勉強を教えてくれないかな。それに、ソラと一緒にいたいから」
「もちろん。知ってる限り教えるよ」
「えへへ、心強い。そういえば先生から聞いたけど、学校に来たって本当?颯太と二人で私がいじめられてることを言ったとか」
「あー……、うん……」
本人には俺が言いに行った事を秘密にしていて欲しいと頼んだのに、話は分かってくれても口が軽い先生だ。
「なんだか保護者みたい。でも自分で言えなかったから、……助けてくれてありがとう。
一人でいるのは変わらないけど、あれから何もされなくなったんだよ」
濡れ衣を着せられたり、頬を叩かれたり、教科書を落書きされたり、俺が知っている以外にも何かされていたんだろう。
一人で寂しく過ごしていてもスッキリしたように笑っているから。
今度は大事な人を守れて良かったと思えた。
七月になった頃。放課後に待ち合わせをして自由に使っていい学習スペースがある施設へ行き、風子の勉強を教えつつ見守る日々が続いた。
「今日も勉強に付き合ってくれてありがとう。あのね、カップケーキ作ってきたの。お礼に受け取ってね」