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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
夏休みが近づいてきたある日。数日前から学校帰りに勉強をしなくなったと思いきや、転入試験を終えたようだった。
何の試験を受けたのか知らないふりをしているから結果はまだ聞いていない。
「風子、夏休みにどこか行こう。勉強を頑張ったご褒美にどこか遠い所でも」
「行く!……これって、デートだよね」
「もちろん、そのつもりで誘ってるんだけど……。どこがいい?風子の行きたい所に行こう」
「じゃあ海!私ね、実は海に行ったことがないの。水族館もテレビでしか見たことないから行ってみたくて」
「それならどっちも行こうか。水族館は海の近くにあるから」
「そうなの?川の近くにあるのかと思ってた!海と水族館、楽しみ」
海がどんな感じの場所なのか話をしながら帰り道を歩く。
潮の匂いがして、砂浜には沢山の貝殻が落ちていることを教えると目を輝かせて聞いていた。
分かれ道が近くなった時、はしゃいでいた風子が急に大人しくなる。
「あのね、ソラ……」