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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
傍にいたのは俺なのに、もたもたしていたせいで……。
* * *
記憶を失った後のキミは俺じゃなくて颯太を選んだ。
今だって……――――
雪がひらひらと舞う中、行き着いたのは記憶を失う前の風子と待ち合わせ場所にしていた公園に似ているところだった。
颯太に引き戻されそうになっている風子を見ていられなくなって、置いて逃げ出してきてしまったけど大丈夫だろうか。
流石に颯太は好きな女を置いていくようなことはしないか……。
連れて帰って……、それで……。
こんなことを考える自分が情けなくなってくる。
体に降り積もる雪を払うことさえしないで立ち尽くしていると、コツコツとヒールの音がこちらに近づいてきた。
「ソラ先輩……!」