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キミを愛シテ溺れてる
第6章 *キミを愛シテ溺れてる 4
「ぐふふ……。それなら心配させないくらいにソラくんのことを愛してあげなよ」
腕を離してからウィッグを男らしく取った大地が種明かしをする。
丁度いいタイミングだし、フォローまでしてくれて気の利く後輩だ。
俺の隣にいたのが本物の女の子だと思っていた風子は、正体を知って目を丸くしていた。
「ええ!?だっ、……大地くんに言われなくても愛するから!」
「いい物見せてもらったよ。それじゃあ、僕は二人の邪魔にならないうちに退散するからー」
使命を遂げた大地はさっさと帰って行って二人っきりになる。
問題もなくなり、これで機嫌を直してくれると思ったけど風子はむくれていた。
「どういうことですか、これは!」
事情を説明しても膨れっ面は戻らなかった。
「好きって言ってくれないから意地悪しちゃった。ごめんね。さっきのも嘘だから安心して……」
「っ……、私が言わないからってここまでするなんて酷いです」
それ以上何も言わずに風子は去って行ってしまった。