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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1
「乙羽さん……?」
重たい瞼で隣を見てみると風子はいなかった。
すぐにベッドから出て部屋中をくまなく探してもいない。
服とバッグ、靴がないから俺が寝ている間に出て行ったようだった。
しまった…………
事情を説明するために先に起きておくべきだった。
先に帰ったという事はもしかして嫌われた……?
今までいい先輩を演じてきたのが一晩で台無しになってしまい、頭の中がサーッと真っ白になった。
最悪の展開だ……。
そんな気持ちの中、コンビニで眠気覚ましを買って飲んでから大学へ向かう。
今日はT〇EICを受ける日だった。
小さい頃から英会話を習っていたから英語は苦手ではない。
試験会場に行ってそれを受ける。
全く勉強をしていなかったけど、そこそこの手応えはあった。
やることも済んで今日はバイトもないし、さっさと帰って寝たい。
寝てから風子にどう謝るか考えよう……。
「ねえねえ、大空くん待って」
気が緩み始めていた矢先、誰かに声を掛けられて捕まってしまった。