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キミを愛シテ溺れてる
第7章 大好きなあなたとハルジオンを探して……
ずっと忘れていた嫌な記憶が蘇ってしまった。
楽しかった思い出は何一つ戻ってこないのに……。
私は逃げるようにその女の人から離れた。
ベビーカーを押している人は、記憶を失う前の私の育ての親である唯子さん。
……愛してもらえなかった私の二番目の母――――
「っ…、うぅっ……」
頭の中に幼少期のつらかった思い出が浮かんでくる。
私が笑いかけてもママはいつも険しい顔をして睨み、小さな頬を叩いてきた。
そんなママが私には見せなかった笑顔を赤ちゃんに向けていて胸が締め付けられる。
ピコンッ!――――
すすり泣いているとバッグに入れていたスマホが鳴った。
届いたのはソラ先輩からのメッセージだった。