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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1
心臓を刃物でグリグリと抉られたような痛みが胸の内に走る。
痛くて、痛くて、穴が空いたみたいだった。
キスをするのを止める言葉さえ言うこともできず、ただただその時が過ぎるのを待つことしかできなかった。
その時の俺は悲しいと言うよりも歯を食いしばっていた。
目の前の二人は、キス以上のこともしたいんだろうと思いながら……。
「邪魔者はそろそろ帰るか」
仲直りしたカップルの前にいつまでも居続けるのは失礼だ。
「おまえも泊まっていけば?」
颯太は何を考えているんだ……。
しかもおまえもという事は、風子は確実に泊まるということ。
……嫌な事しか想像できない。