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キミを愛シテ溺れてる
第10章 名前を呼んで……
押さえつけてくる男はパーカーのフードを深く被っていて顔がよく見えない。
キスをせがまれて拒否するように顔を逸らすとその男からは香水のような甘い香りがした。
「んっ…」
重ならなかった唇が首元を掠った瞬間、ビクッと感じる。
気持ちいいことをされているのにソラ先輩にされる時とは全く違う感覚だった。
腕を放してもらうように抵抗すると今度は耳元に男の唇が掠る。
「――――っ……」
「風子さん……」
「えっ……」
「……どうしてもあなたの血が欲しいんです。だから……孕んでくれませんか」
切なそうに囁かれたその言葉を聞いて背筋が凍った。