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キミを愛シテ溺れてる
第10章 名前を呼んで……
「私の血が欲しいって言ってました。……吸血鬼でしょうか」
「…………。吸血鬼なんて実際にいるわけないからただの変態だよ」
「っ…、すごく怖かったです……」
「……うん。怖かったね……」
体を包まれて、温かさを感じる。
強く抱きしめられた私は安堵すると同時に涙をぼろぼろと零した。
もしソラ先輩がいなかったら私はどうなっていたんだろうとか、助けに来てくれて嬉しかったとか色んな気持ちが混ざり合っていたから。
こんな私が誰かに狙われるはずなんてないと甘く見ていたけど、実際に遭ってみるととても怖いものだ。
同じようなことが二度と起きて欲しくないと思うほどに……。