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キミを愛シテ溺れてる
第10章 名前を呼んで……

「んー……、乙羽さんにつきまとうなって。それにしても怖いことがあったのに、乙羽さんはけろっとしてるね」


「そう……ですね。意外と大丈夫みたいです」

「襲われて喜んでいたとか言わないよね」


怖かったけど、首元に唇が触れて少しでも感じてしまったとは言えない。

「いっ、言いませんよ。ソラ先輩が助けに来てくれた嬉しさの方が怖さより勝ってるみたいです」

「それなら良かった」


「彼氏に助けてもらえるってかなりきゅんとするんですからね。お姫様を助ける王子様みたいですし」

恥ずかしくて背を向けたまま言うとソラ先輩は私を引き寄せてぎゅっと抱きしめた。

シャンプーの匂いをすぅっと静かに嗅いで私の温もりを感じて甘えているようだった。


「二人でどこか遠いところに行きたいね。日本の反対側のブラジルとか南極とか宇宙とか。誰も干渉してこない場所にさ……」


「ふふっ。今度は海外旅行に行きたいんですか?」

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