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キミを愛シテ溺れてる
第10章 名前を呼んで……
いつも現実的なことを言う人なのに、非現実的なことを言ってくるから寝ぼけているんだろうか。
うとうとしているのか声に張りがないし、さっきから会話のペースも遅い。
「あのー、ソラ先輩……?」
「このままずーっと…俺のそばにいて欲しいから……」
私にそう言ってからソラ先輩は眠ってしまった。
大学生の時は先に寝ることがなかったからやはり仕事で疲れているようだった。
仕事が終わってから「疲れた」とか「つらい」とか言葉や態度に出さないからつい忘れてしまいそうになる。
置かれた環境は変わっても、変わらないものもある。
大好き…………。
付き合ってから長い時間が経ったけどこの気持ちは変わらなくて、私はソラ先輩のことを愛している。
腕枕と私のお腹に触れている大きな手。
体がピタリとくっついたそのままの状態で私も目を閉じて眠った。